働きたい。でも何から始めればよいか分からない。一般雇用、障害者雇用、就労移行、A型、B型、そして今は治療や休養を優先する選択もあります。どれが一番よいかではなく、今の自分に何が合いそうかを考える入口です。

TAKEAWAYS

この記事で分かること

  • 一般雇用・障害者雇用・就労移行・A型・B型の目的と雇用契約の違い
  • 給与・賃金・工賃を混同しないこと
  • 五つの選択肢に上下関係はなく、治療・休養も選べること
  • 一度できるかだけでなく、無理なく続けられそうかで考えること
  • 2025年10月に始まった就労選択支援と、2026年時点のB型・A型の扱い
  • 本人が一人で決めず、困りごとから相談できること

五つの選択肢を、上下ではなく横に並べる

COMPARE

働き方と就労支援の五つの入口

どれが上・下ではありません。本人の希望・状態・必要な支援で考えます。

  • OPTION 1

    一般雇用

    • 一般企業等で働く
    • 雇用契約あり・給与
  • OPTION 2

    障害者雇用

    • 障害・必要な配慮を共有して一般企業等で働く
    • 雇用契約あり・給与
  • OPTION 3

    就労移行支援

    • 一般就労等へ向けた準備・訓練・就職活動
    • サービス利用自体の雇用契約は原則なし
  • OPTION 4

    就労継続支援A型

    • 福祉サービスを利用しながら働く
    • 雇用契約あり・賃金
  • OPTION 5

    就労継続支援B型

    • 生産活動等と支援
    • 雇用契約なし・工賃

働き方を決める前に、まず考えたい4つ

MEMO

自分を決めつけず、今の状態を整理する

  1. 今どれくらい働けそう?

    • 週何日・一日何時間
    • 朝起きる・通勤
    • 体調の波
    • 一度ではなく継続できそうか
  2. 何に困っている?

    • 疲れやすさ
    • 人間関係・指示
    • 音や環境
    • 通院・ブランク・就職活動
  3. どんな支援がほしい?

    • 生活リズム・訓練
    • 履歴書・面接
    • 仕事中の相談
    • 職場や生活面の調整
  4. 今後どうしたい?

    • 企業で働きたい
    • 配慮を共有したい
    • まず準備したい
    • 今は体調を整えたい

『今すぐ働けるか』だけで考えない

うつ病などでは日によって状態が違うことがあります。一日だけ頑張れることと、毎週同じ日数・時間を続けられることは同じではありません。

できるかだけでなく、続けられそうか。必要な休憩や支援を使うとどうか。働く前に治療や休養を優先した方がよいか。主治医や支援者とも相談して考えます。

一般雇用を考える場面

一般求人を広く探したい、必要な配慮や障害の開示範囲を自分で考えたい場面があります。ただし、一般雇用は『配慮なし』という意味ではありません。障害を伝えて申し出た合理的配慮について、本人と事業主が話し合う仕組みがあります。

障害者雇用を考える場面

障害や必要な配慮を会社と共有し、通院や体調、指示方法などを相談しながら一般企業等で働きたいときの選択肢です。障害者向け求人も候補にできます。

手帳があれば簡単に就職できるわけではありません。仕事内容、雇用条件、配慮、相談体制を求人ごとに確認します。

就労移行支援を考える場面

一般企業等への就職を希望し、すぐ就職するより生活リズム、自己理解、職業訓練、履歴書・面接、企業実習などの準備をしたいときの障害福祉サービスです。就職後の定着支援も関係します。

サービス利用そのものに給与が支払われる制度ではなく、利用期間や対象、支援内容は個別に確認します。

就労継続支援A型を考える場面

一般企業等で働くことに難しさがあり、障害福祉サービスを利用しながら雇用契約に基づいて働くことを検討したい場面です。事業所の仕事を行い、賃金を受けます。

A型を一般就労への訓練所と単純化せず、A型で働き続ける本人の選択も尊重します。

就労継続支援B型を考える場面

雇用契約に基づく就労が難しい場合等に、生産活動などの機会と必要な支援を受ける障害福祉サービスです。雇用契約は結ばず、作業等に応じた工賃を受けます。

単純に『働けない人向け』と決めつけず、制度上の対象要件、本人の希望、事業所の支援内容を市区町村等へ確認します。

雇用契約とお金の違いを一度整理する

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給与・賃金・工賃を混同しない

  • OPTION 1

    一般雇用

    • 雇用契約あり
    • 給与
    • 一般企業等
  • OPTION 2

    障害者雇用

    • 雇用契約あり
    • 給与
    • 一般企業等の障害者求人など
  • OPTION 3

    就労移行支援

    • サービス利用自体の雇用契約は原則なし
    • サービス利用に給与はない
    • 就職準備と就職活動
  • OPTION 4

    A型

    • 雇用契約あり
    • 賃金
    • 障害福祉サービス事業所
  • OPTION 5

    B型

    • 雇用契約なし
    • 工賃
    • 生産活動等と支援

就労選択支援は『決めてもらう』制度ではない

就労選択支援は2025年10月1日に始まった障害福祉サービスです。本人がよりよい就労先・働き方を選べるよう、作業場面等も使い、希望、能力・適性、必要な配慮などを整理します。

FLOW

選ぶための材料を増やす

  1. 何が合うか分からない

    制度名から自分を決めません。

  2. 希望・能力・適性・配慮を整理

    就労選択支援等で作業や面談を通して考えます。

  3. 選択肢を知る

    A型・B型・就労移行等を含めて情報を確認します。

  4. 本人が考える・選ぶ

    支援者が進路を決める制度ではありません。

B型は現在、A型は2027年予定|時期を分ける

COMPARE

2026年8月時点の就労選択支援との関係

『B型は全員例外なく必須』『A型も現在必須』とは書けない制度です。自分の場合を自治体へ確認します。

  • OPTION 1

    新規B型|2025年10月から

    • 原則として就労選択支援の事前利用が関係
    • 50歳以上・障害基礎年金1級・一定の就労経験等の対象要件あり
    • 地域の事業所不足等の取扱いもある
  • OPTION 2

    新規A型|2027年4月以降予定

    • 就労選択支援によるアセスメントを対象要件とする予定
    • 2026年8月現在は一律必須ではない
    • 詳細は改めて示されるため最新情報を確認

これは診断ではありません|考えるヒント

  • すぐ企業へ就職したい:一般雇用・障害者雇用の求人と支援を確認
  • 就職前に準備したい:就労移行支援を確認
  • 支援を受けながら雇用契約を結んで働きたい:A型を確認
  • 雇用契約による働き方が今は難しい:B型について相談
  • 何が合うか分からない:市区町村・相談支援・就労選択支援等を相談
  • 今は働くより体調を整えたい:主治医等と治療・休養を相談

本人が一人で決める必要はない

FLOW

分からない段階から相談してよい

  1. 分からない

    制度名が決まっていなくても構いません。

  2. 相談して話す

    困りごと、希望、体調を言葉にします。

  3. 自分の状態を整理

    知らなかった選択肢も確認します。

  4. 見学・説明

    実際の環境と支援を確かめます。

  5. 本人が選ぶ

    周囲が代わりに決めません。

迷ったときの相談先

  • 市区町村の障害福祉担当窓口
  • 相談支援事業所
  • ハローワーク
  • 障害者就業・生活支援センター
  • 地域障害者職業センター
  • 就労系障害福祉サービス事業所
  • 医療機関(体調や治療との両立を相談する場合)

家族・支える人へ|答えではなく選択肢を渡す

本人が仕事をしていないと、家族は将来のお金や生活が心配になり、『A型なら働けるのでは』『B型から始めたら』と答えを出したくなることがあります。

支える側がサービスを決めるのではなく、『こういう選択肢もあるみたい』『一緒に相談してみる?』と情報を整理することも支え方です。僕も妻のうつ病をきっかけに制度を調べ、障害福祉課へ相談して初めて知った選択肢がありました。

働き方を決める前の考え方

OUR PRINCIPLE

病名だけでサービスを決めない

本人の希望体調得意・苦手働ける時間必要な配慮将来の希望
相談・見学を通して、本人が選ぶ

NEXT STEPS

次にできること

  1. 週何日・何時間なら無理が少なそうか書く
  2. 困っていることと、ほしい支援を一つずつ選ぶ
  3. 市区町村や相談支援等へ、何が合うか分からないと伝える
  4. 候補の専用記事を読み、必要なら見学する
  5. 体調と本人の希望を踏まえて、使うかどうか考える

SUMMARY

この記事のまとめ

  • 働き方は一つではなく、治療・休養を優先する選択もあります。
  • 一般雇用・障害者雇用・就労移行・A型・B型は目的が違い、上下関係ではありません。
  • A型は雇用契約と賃金、B型は雇用契約なしと工賃です。
  • 2025年10月から就労選択支援が始まりましたが、2026年時点で新規A型に一律必須ではありません。
  • 病名だけで決めず、本人の希望・体調・必要な支援を整理して相談します。

FAQ

よくある質問

A型とB型はどちらが上ですか?

上下ではありません。雇用契約、お金の位置づけ、支援内容等が異なり、本人の状態や希望に応じて考えます。

障害者雇用とA型は同じですか?

同じではありません。A型は障害福祉サービス事業所と雇用契約を結び、障害者雇用は一般企業等に直接雇用される働き方です。

何が合うか分からない場合は?

市区町村の障害福祉担当や相談支援等へ相談できます。就労選択支援が選択肢になる場合もあります。

うつ病なら就労移行支援を使うべきですか?

病名だけでは決まりません。体調、働ける時間、本人の希望、必要な支援などを整理して考えます。

今すぐ働けない場合は?

治療や休養を優先する選択もあります。無理に就労サービスへ進む必要はなく、主治医等へ相談できます。

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