A型とB型、どちらが合うのか。就労移行を使うのか。今の自分がどれくらい働けるのか。就労選択支援は、支援者が進路を決めるためではなく、本人が自分で選ぶための材料を一緒に整理する障害福祉サービスです。
TAKEAWAYS
この記事で分かること
- 就労選択支援は2025年10月1日に始まった障害福祉サービス
- 短期間の作業場面等を通して、希望・能力・適性・必要な配慮等を整理する
- 合否試験や、本人をA型・B型へ振り分ける制度ではない
- 支給決定期間は原則1か月で、例外的に2か月となる場合がある
- 作業場面等を活用した状況把握は2週間以内を基本とする
- 新規B型は原則利用が関係するが例外等があり、新規A型は2027年4月以降の予定
ここだけ覚えて|『あなたはここ』と決めるサービスではない
OUR PRINCIPLE
本人が選ぶための材料を増やす
就労選択支援はいつ始まった?
就労選択支援は2025年10月1日に施行されました。就労移行支援や就労継続支援を利用する意向がある人、現に利用している人等を対象に、本人がよりよい就労先・働き方を選べるよう支援します。
短期間の生産活動等を通じて就労アセスメントを行い、アセスメント結果を作る際には本人や関係機関とのケース会議等を行い、必要に応じて連絡調整します。求人紹介そのものを主目的とするサービスではありません。
就労アセスメントは点数をつける試験ではない
COMPARE
誤解しやすいことと、本来の目的
OPTION 1
違うこと
- 合格・不合格を決める試験
- 支援者が職業を決める
- 障害の重さでランク付け
- A型・B型へ機械的に振り分ける
OPTION 2
行うこと
- 本人の希望を聞く
- 作業場面等から得意・苦手を整理
- 必要な配慮と支援を考える
- 本人が選ぶ材料を増やす
どんなことを整理する?
MEMO
自分の取扱説明書を作るように考える
結果は本人の将来を固定するラベルではありません。その後の相談でも使える材料です。
希望
- どんな仕事をしたいか
- 働くうえで大切にしたいこと
- 希望する時間や場所
作業・環境
- 得意・苦手な作業
- 集中や体力の続き方
- 取り組みやすい環境
支援・配慮
- 疲れやすい場面
- 必要な配慮
- 相談方法
- 今後必要な支援
利用期間はどれくらい?
2026年8月時点の支給決定事務の取扱いでは、支給決定の有効期間は原則1か月、必要な場合は最長2か月です。1か月以上の継続的な作業体験や観察が必要な例外事由に該当する場合に、2か月の支給決定が行われます。
作業場面等を活用した状況把握は、原則1か月の支給決定期間の中で2週間以内を基本とされています。必ず1か月毎日通う、必ず2週間作業するという意味ではありません。利用日数と実施方法は、本人の状況と事業所・自治体へ確認します。
B型との関係|原則利用でも例外等がある
2025年10月以降、新たに就労継続支援B型を利用する意向がある人は、原則として事前に就労選択支援を利用します。ただし『B型を利用する人全員が例外なく必須』ではありません。
50歳に達している人、障害基礎年金1級受給者、就労経験があり年齢や体力面で一般企業への雇用が難しくなった人等は、就労選択支援のアセスメントを経ずB型を利用できる場合があります。近隣に事業所がない、利用可能な事業所が少なく待機が生じる場合は、就労移行支援事業所等による別の就労アセスメントを経る取扱いも示されています。
FLOW
新規B型を検討する場合
例外等があります。自分が対象かは市区町村へ確認してください。
B型を検討
本人の希望と対象要件を確認します。
原則、就労選択支援
希望・状態・就労面の課題等を整理します。
B型を含む選択肢を検討
本人が考え、自治体が支給決定します。
A型との関係|2027年4月以降の予定
2026年8月現在、新たにA型を利用する人全員に、就労選択支援の事前利用が一律必須となっている段階ではありません。希望に応じて利用を相談できます。
厚生労働省は2027年4月以降、新たにA型を利用する場合についても、就労選択支援事業所によるアセスメントが行われている人を対象とする予定とし、詳細は改めて示すとしています。将来予定と現在の制度を混同しません。
2025年と2027年を分けて見る
COMPARE
現在と将来予定のタイムライン
OPTION 1
2025年10月から|現在
- 就労選択支援が開始
- 新規B型は原則利用が関係
- 対象要件・地域事情による例外等あり
OPTION 2
2027年4月以降|予定
- 新規A型を対象とする予定
- 就労移行支援の標準利用期間超過も対象予定
- 詳細は最新通知で確認
就労移行支援とは役割が違う
COMPARE
選ぶために整理する/就職へ向けて準備する
実際の支援内容には幅があります。キャッチコピーだけで利用先を決めず確認します。
OPTION 1
就労選択支援
- 希望・能力・適性等を整理
- 就労先・働き方の選択を支える
- 原則短期間
OPTION 2
就労移行支援
- 一般就労等へ向けた訓練
- 就職活動・職場開拓等
- 就職後の定着支援
利用したら、必ずA型・B型へ行く?
アセスメント結果を踏まえ、本人の希望や必要な支援に応じた選択肢を検討します。『B型判定だからB型へ行かなければならない』という制度ではありません。
アセスメントはその時点の作業場面や情報から整理した材料です。本人の希望や状態は変わることがあり、結果が将来の可能性を固定するものではありません。
利用までの大まかな流れ
FLOW
本人が選ぶまでの一般的なイメージ
市区町村・相談支援等へ相談
対象と利用方法を確認します。
事業所等を調整
地域の指定状況や通い方を確認します。
作業場面等でアセスメント
希望、得意・苦手、必要な支援を整理します。
ケース会議・連絡調整
本人の意向を確認し、必要に応じて関係機関と話します。
本人が今後を考える
支援者が進路を決定して終わりません。
『評価されるのが怖い』と感じる人へ
自分に何ができるか見られると聞くと、怖く感じる人もいると思います。就労選択支援の目的は、人に優劣をつけることではありません。本人がよりよい働き方を選べるよう、希望や能力・適性等を整理することです。
不安があれば、何をどのように見るのか、結果を誰と共有するのか、本人の希望をどう反映するのかを、利用前に事業所へ確認します。
新しい制度だからこその注意点
- 地域によって指定事業所数や利用しやすさに差がある
- 就労選択支援だけで仕事が決まるわけではない
- 求人紹介を主目的とするサービスではない
- 適性を固定的なラベルとして扱わない
- 実際の利用方法は自治体・事業所へ確認する
- 制度改正が続く可能性があるため、情報の確認日を見る
さっつんが大切だと思うこと
僕は福祉の仕事を通して、何ができるかだけでなく、何がしんどいのか、どんな環境なら安心できるのか、本人はどうしたいのかを知ることが大切だと学びました。
家族・支える人へ
本人が迷っていると、家族は『A型がよい』『B型から始めた方がよい』と早く答えを出したくなります。代わりに決めるより、『何が不安?』『どんな働き方なら続けられそう?』『一緒に相談してみる?』と、本人が考える材料を増やす関わり方があります。
SUMMARY
この記事のまとめ
- 就労選択支援は、本人が選ぶために希望・能力・適性等を整理するサービスです。
- 支援者が仕事を決める制度でも、合否試験でもありません。
- 支給決定期間は原則1か月、作業場面等による状況把握は2週間以内が基本です。
- 新規B型は原則利用が関係しますが例外等があり、新規A型は2027年4月以降の予定です。
- 分からないときは、一人で答えを出さず相談から始められます。
FAQ
よくある質問
就労選択支援はいつから始まりましたか?
2025年10月1日に施行されました。
仕事を紹介してくれるサービスですか?
求人紹介そのものを主目的とせず、本人がよりよい就労先・働き方を選べるよう、希望・能力・適性等を整理します。
B型を利用するなら必ず必要ですか?
新規B型利用では原則として事前利用が関係しますが、年齢・障害基礎年金・就労経験や地域の支援体制による例外等があります。
A型を利用する場合も必要ですか?
2026年8月時点では新規A型利用者に一律必須ではありません。2027年4月以降に対象とする予定が示されています。
利用期間はどれくらいですか?
支給決定の有効期間は原則1か月で、必要な場合は最長2か月です。作業場面等の状況把握は2週間以内を基本としますが、実施方法は個別に確認します。
アセスメントで進路を決められますか?
本人がよりよい選択をできるよう情報を整理する支援です。本人の自己決定を中心に、その後の選択肢を考えます。
参考にした公的情報
リンク先の内容や制度は変更される場合があります。最新情報をご確認ください。