大切な人がつらいのに、優しくできない。「またか」と思った自分が嫌になる。僕にも、そんな時期がありました。イライラを無理に消そうとする前に、自分も疲れていないか、一人で抱えすぎていないかを確認してよいのだと思います。
QUICK ANSWER
イライラして優しくできないとき、どうすればいい?
イライラした感情だけで愛情不足とは決まりません。強い言葉を返す前にいったん離れ、自分の睡眠や疲れを確認し、今すぐ解決することと後で話すことを分けます。
TAKEAWAYS
この記事で分かること
- イライラする感情と、相手を傷つける行動は分けて考えること
- 僕が妻の落ち込みに「またか」と感じ、自分を嫌になった経験
- 優しくできないほど疲れていないか確認する七つの問い
- 相手を変えるより、自分の行動を選ぶという考え方
- 支える側も休み、二人の外へ頼ってよいこと
イライラしたからといって、愛情がなくなったとは限らない
大切に思っていても、疲れ、不安、緊張、無力感が重なると、穏やかに関われないことがあります。どの感情があるかは人によって違い、病気の本人が悪いとも、支える人が冷たいとも一つには決められません。
まず、イライラした自分を裁くより、「自分にも何かが積み重なっているかもしれない」と見ます。ただし、感情があることと、怒鳴る、脅す、物に当たるなど相手を傷つける行動を取ることは別です。
僕も「またか」と思ってしまった
妻と付き合う前、僕はうつ病についてほとんど知りませんでした。交際して数週間後、彼女がうつ病で休職中だと知り、好きだったので「なんとかしたい」と思いました。
でも、落ち込んだり泣いたりすることが繰り返される中で、僕も「またか」と思ってしまったことがあります。そして、そのたびに、そんなふうに思う自分自身が嫌になりました。支えたい気持ちと疲れは、きれいにどちらか一つにはなりませんでした。
「自分では幸せにできない」と思ったこともある
どう向き合えばよいか分からず、「自分では彼女を幸せにできないのではないか」と感じたこともあります。けれど、この考えには、相手を幸せにする責任まで自分一人が持つ、という大きすぎる役割が含まれていました。
僕は夫であり、恋人でした。医師でも、妻を治す人でもありません。できるのは、話を聞く、自分にできることを伝える、必要な人へ頼ることでした。
相手を変えようとすると、僕自身もしんどくなった
最初の僕は、彼女をどう変えるか、どうすれば落ち込まなくなるかへ意識が向いていました。でも、彼女を変えることは自分の仕事ではないと気づきました。
そこから、「相手を泣き止ませる」ではなく「自分は今どう話すか」、「すぐ答えを出す」ではなく「今日は聞くだけにするか」という、自分の行動を考えるようになりました。相手を思いどおりに動かす方法ではなく、自分が選べる範囲へ戻す考え方です。
イライラしたときは、無理に優しい人を演じない
怒りが強いまま無理に話し続けるより、安全が保てる場面では、一度その場を離れて落ち着く方法もあります。「今は落ち着いて話せない。少し休んでから声をかける」と、自分ができることと次の接点を分けます。
相手の悩みをその場で全部解決しようとせず、今日は聞くだけにする、今は話さない、医療へ相談する内容は医療へ分ける、と役割を小さくできます。
優しくできないほど疲れていないかを確認する
次の問いは診断チェックではありません。今の自分に休息や相談が必要かを考えるためのものです。
MEMO
支える自分へ聞いてみたいこと
変化が続くときは、支える側も医療機関や公的相談先を利用できます。
体
- 最近、眠れている?
- 食事や仕事に影響が出ていない?
時間
- 一人で過ごす時間や、病気以外の時間はある?
考え
- 相手のことをずっと考えていない?
- 自分が何とかしなければと思いすぎていない?
頼り先
- 誰かに相談できている?
- 自分だけで対応していない?
「話を聞く」だけでよい日も、聞けない日もある
僕は、否定せず、ゆっくり話を聞き、落ち着いて接することを意識するようになりました。泣きたいときは、本人が望む場合にそばにいることもありました。
ただし、毎回いつでも話を聞くことを、支える人の義務にはしません。自分に余裕がない日は、「今は聞けない」「少し休んでから話したい」と伝えることも、関係を続けるための調整です。
みー本人から見えていたこと
みー本人の記録には、日常のことができない日に家族へ申し訳ないと感じていたこと、優しい言葉や寄り添い、「大丈夫」と言ってもらうことが安心につながった経験が書かれています。
これは、誰にでも同じ言葉をかければ落ち着く、という意味ではありません。また、誰がどの場面で言ったかを、記録以上に僕が補うこともしません。みーの場合の一次情報として、夫側から見えなかった罪悪感や安心の形があったことを大切にします。
支える側が休み、二人の外へ頼る
僕は、自分がしんどくなったとき、まず自分自身を大切にするようになりました。また、妻のパニックや落ち込みが強いときには、妻のお母さんへ協力をお願いすることがあります。
これは、どの家庭でも母親へ頼れるという意味ではありません。読者の場合は、信頼できる人、主治医、医療機関、自治体や地域の相談先など、状況に合う相手へ役割を分けます。頼れる人がいない場合も、公的な窓口から相談先を探せます。
「死にたい」など安全が心配な言葉があるとき
交際当初、僕は妻から「死にたい」という言葉を聞き、どう対応すればよいか分かりませんでした。この経験を、恋人だけで対応できるという話にはしません。
自傷や自殺のおそれ、生命や身体の差し迫った危険を感じる場合は、口論の解決や優しい言葉探しより安全を優先し、主治医・医療機関・家族・公的相談先へつないでください。緊急性が高い場合は119などを利用します。相談先は厚生労働省「まもろうよ こころ」で最新情報を確認できます。
優しくできない日は、自分にも「ゆるゆる」を
僕たちの合言葉「ゆるゆるでいこう〜」は、妻だけのためではありません。支える側まで完璧を目指し続ければ、関わりを続ける力がなくなります。
今日は解決しない。少し離れる。誰かに頼る。自分が休む。そうした選択も含めて、相手を変えるより、自分がどう関わるかを考えてよいのだと思います。
SUMMARY
この記事のまとめ
- 好きな人を支えていても、イライラする日が愛情のすべてを決めるわけではありません。
- 感情を責め続けるより、相手を傷つけない行動と自分の休息を考えます。
- 僕も「またか」と思い、そんな自分が嫌になりました。
- 相手を変えるのではなく、自分がどう関わるかへ視点を変えました。
- 自分だけで抱えず、家庭に合う人や医療・相談先へ役割を分けられます。
最後に|イライラの奥にいる自分も置き去りにしない
好きなのに「またか」と思った自分を、僕は嫌になりました。でも、責め続けても余裕は戻りませんでした。自分の疲れを認め、できることを小さくし、外へ頼ることが必要でした。
感情を正当化して相手を傷つけるのではなく、感情に気づいて行動を選び直す。支える人自身も、少し休んで構いません。
FAQ
よくある質問
うつ病の家族にイライラするのは、愛情がないからですか?
一度の感情だけで愛情の有無は決められません。疲れや不安が重なっていないかを確認し、感情と相手を傷つける行動は分けます。
イライラしているときも話を聞くべきですか?
安全が保てるなら、一度休み、話せる時間を伝える方法もあります。支える人がいつでも対応する必要はありません。
支える側も相談していいですか?
相談して構いません。本人の情報を必要以上に広げず、自分が眠れない、仕事に影響しているなど、自分の困りごととして相談できます。
MEMBERSHIP
支える人も、
ひとりで抱え込まないために。
ゆるサポと同じ運営者・さっつんの支える人向けnoteの「支える人の休憩室」です。支える側の疲れや迷いを言葉にする場所で、現在のプラン内容はnoteで確認できます。
無料記事だけでもご利用いただけます。いま必要なものだけ選んでください。
参考にした公的情報
リンク先の内容や制度は変更される場合があります。最新情報をご確認ください。