僕も妻と出会う前は、障害や障害福祉についてほとんど知りませんでした。制度名が分からないと、相談してはいけないように感じるかもしれません。でも、制度名を全部知る前に、「何に困っているか」から相談できます。
TAKEAWAYS
この記事で分かること
- 制度名を知らなくても、困りごとから相談できること
- 最初の入口になりうる市区町村の障害福祉担当窓口
- 全国共通の制度と、自治体独自の制度を分けて確認すること
- 相談支援と基幹相談支援センターの役割
- 本人の代わりに決めず、選択肢を増やす支え方
制度を知らなかった僕が、障害福祉で働いて気づいたこと
僕は妻と出会う前、障害やうつ病、障害福祉についてほとんど知りませんでした。その後、未経験から障害福祉の仕事へ入り、制度を知っていることと同じくらい、分からないときに相談先へつながることが大切だと感じてきました。
相談の入口で、利用したい制度名まで決まっている必要はありません。生活、医療費、仕事、住まい、家族の負担など、今困っていることから話せます。
相談するときは、制度名より困っていること
FLOW
制度名から探さなくていい
窓口の名称や体制は地域で異なります。最寄りの市区町村へご確認ください。
困りごとを一つ書く
医療費、仕事、住まい、生活、家族の負担など
市区町村などへ相談
「○○で困っています」と伝える
必要な窓口を確認
医療、生活、仕事、福祉サービスなどへ分ける
本人が次を選ぶ
情報確認、相談、見学、申請などから選ぶ
1.まず市区町村の障害福祉担当窓口
市区町村では、障害福祉サービス、医療費の助成、手帳、相談支援などについて、地域の制度と窓口を確認できます。「どの制度を使うべきか」ではなく、今困っていることを伝えます。
窓口の名称、相談方法、必要な書類、利用できる制度は自治体や個別の状況で異なります。
医療費の相談では、全国共通の制度と地域独自の助成を分ける
精神科への通院医療費には、全国共通の自立支援医療(精神通院医療)が利用できる場合があります。一方、自治体独自の医療費助成は、制度の有無、名称、対象、所得条件などが地域で異なります。
インターネット上の体験談だけで自分の負担額を決めず、住んでいる市区町村の障害福祉担当窓口へ「通院費について使える制度を知りたい」と相談してください。
COMPARE
医療費に関する制度を分けて確認する
個別の利用可否、自己負担、併用の扱いは、お住まいの自治体へご確認ください。
OPTION 1
自立支援医療(精神通院医療)
- 国の制度をもとに実施
- 対象となる通院医療は原則1割負担
- 所得などに応じた月額上限
OPTION 2
自治体独自の医療費助成
- 制度の有無や名称に地域差
- 対象や所得条件も自治体ごとに異なる
- 自治体の公式情報で確認する
2.相談支援という仕組みもある
相談支援は、本人の希望や生活上の困りごとを聞きながら、必要な福祉サービスや支援を一緒に整理する仕組みです。計画相談支援では、サービス等利用計画の相談・作成と、利用後のモニタリングが制度上位置づけられています。
今回、私たち夫婦が相談支援を実際に利用し、担当者がついたという体験はありません。ここでは制度上の役割と、障害福祉の現場で僕が相談相手の大切さを感じていることを分けて説明します。
FLOW
相談支援で整理する流れ
本人の希望と困りごと
どんな生活をしたいか、何に困っているかを話す
必要な支援を整理
制度やサービス、関係機関を確認する
サービス等を利用
支給決定や事業所の確認を経る
状況を確認
計画相談支援ではモニタリングを行う
必要なら見直す
本人の希望と状況に合わせる
3.基幹相談支援センターとは
基幹相談支援センターは、地域における相談支援の中核的な役割を担う施設です。総合的・専門的な相談、地域の相談支援体制の強化、関係機関の連携などを担います。
「どこへ相談すればよいか分からない」ときの相談先の一つですが、設置状況、名称、相談方法は地域で異なるため、お住まいの自治体へ確認してください。
困りごとに合わせて、相談先を分けていい
生活の悩みは、一つの場所だけで解決するとは限りません。医療は主治医や医療機関、制度は自治体、生活や福祉サービスは相談支援、仕事はハローワークや障害者就業・生活支援センターなど、役割を分けることがあります。
COMPARE
今の困りごとは、どこに聞く?
全部を一つの窓口で解決しなくて構いません。地域ごとの入口は市区町村へ確認できます。
OPTION 1
何も分からない
- 市区町村の障害福祉担当窓口
OPTION 2
地域の障害福祉
- 基幹相談支援センター等
OPTION 3
サービス利用
- 相談支援事業所等
OPTION 4
医療
- 主治医・医療機関
OPTION 5
仕事
- ハローワーク
- 障害者就業・生活支援センター
- 就労支援機関等
支える人も相談していい
福祉の相談は本人だけのものではありません。家族として「どう支えればよいか分からない」「家族だけで抱えるのが難しい」「どんなサービスがあるか知りたい」と相談できる場合があります。
本人のプライバシーと意思を守りながら、「自分が困っていること」を相談する方法があります。
制度を調べても、本人の代わりに全部決めない
家族が制度を調べ、相談先を探すことも支え方です。でも「このサービスを使うべき」と本人の意思を無視して決めることとは違います。
COMPARE
代わりに決めるより、選択肢を増やす
OPTION 1
× 代わりに決める
- 使う制度を家族だけで決める
- 行く事業所を決める
- 働き方を決める
OPTION 2
○ 選択肢を増やす
- 制度を調べる
- 情報を一緒に見る
- 本人へ聞く
- 必要なら一緒に相談する
- 本人が選ぶ
相談したら、必ずサービスを使うわけではない
相談した結果、今はサービスを使わない、今の仕事を続ける、少し様子を見るという選択もあります。相談は選択肢を知り、本人が決めるために使えます。
SUMMARY
この記事のまとめ
- 障害福祉は、制度名を全部知ってから相談する必要はありません。
- 市区町村の障害福祉担当窓口は、最初の入口の一つです。
- 基幹相談支援センターは地域の相談支援の中核を担いますが、体制や名称は地域で異なります。
- 相談支援では、本人の希望や生活上の困りごとから必要な支援を整理します。
- 相談しただけで必ず専属担当者がつく、必ずサービスを利用する、という意味ではありません。
- 医療費の制度には全国共通のものと自治体独自のものがあり、対象や負担額は個別に確認します。
- 家族が制度や相談先を調べることも、本人の選択肢を増やす支え方です。
最後に|「困っています」から始めていい
僕も妻と出会う前は、障害や障害福祉についてほとんど知りませんでした。今も、地域ごとで分からない制度は公式情報と担当窓口へ確認します。
医療、仕事、お金、生活を夫婦二人だけで全部理解する必要はありません。相談する。聞いてみる。選択肢を知る。その中から本人が選ぶ。知ることで、選べるようになる。その最初の一歩が、誰かに相談することでもよいと思っています。
参考にした公的情報
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