障害福祉は仕事だけではありません。家で生活する、外へ出る、日中を過ごす、働く、住む、相談する。制度名を覚える前に「今、何に困っている?」から、使える可能性のある支援と確認先を探します。
TAKEAWAYS
この記事で分かること
- 家での生活・日中活動・仕事・住まい・外出・相談の6つの入口
- 介護給付、訓練等給付、地域生活支援事業の違い
- 受給者証と障害者手帳、医療費や年金の制度との違い
- 利用までの大まかな流れと、所得に応じた利用者負担
- 制度名が分からない段階でも、困りごとから相談できること
まずは、今の困りごとに近い入口を選ぶ
障害福祉サービスは、障害がある人全員が同じものを使う仕組みではありません。障害の状態だけでなく、社会活動、介護者、住まい、本人の希望などを踏まえて、市区町村が個別に支給決定します。
最初から制度名を知っている必要はありません。家事が難しい、日中の居場所がほしい、仕事を考えたい、一人暮らしが不安など、今の困りごとから相談できます。
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困りごとから探す6つの入口
この図は利用サービスを判定する診断ではありません。本人の希望と必要な支援を話す入口です。
OPTION 1
家での生活
- 家事・身体介護
- 家での相談や助言
OPTION 2
日中活動
- 日中の居場所・介護
- 生活に必要な訓練
OPTION 3
仕事
- 働き方の整理
- 就職準備・働く場・定着
OPTION 4
住まい
- グループホーム
- 一人暮らし・施設での支援
OPTION 5
外出
- 移動や行動の支援
- 意思疎通・地域の支援
OPTION 6
相談
- 何を使うか一緒に整理
- 計画作成や地域生活の支援
制度名ではなく、困りごとから相談へ進む
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知ることで、選べるようになる
今、何に困っている?
家・外出・日中・仕事・住まい・相談に分けてみます。
支援の種類を知る
使えると決めつけず、可能性のある制度を一つ確認します。
市区町村・相談支援等へ相談
生活状況と本人の希望を伝えます。
本人に必要な支援を考える
説明や見学を踏まえ、使うかどうかを本人が選びます。
働き方を選ぶ前に、自分の力や希望を整理したい
就労選択支援は、就労に関する本人の希望、能力、適性や必要な配慮などを整理し、よりよい選択を支えるサービスとして、2025年10月1日に始まりました。特定の働き方へ機械的に振り分ける制度ではなく、本人が選ぶための情報を一緒に整理するものです。
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困りごとから見る、就労系サービスの役割
対象と利用時期は個別に異なり、利用によって就職や適職の発見が保証されるものではありません。
自分に合う働き方を整理したい
就労選択支援で、希望・能力・必要な配慮などを整理します。
一般企業への就職を目指したい
就労移行支援で、一般就労へ向けた訓練や就職活動を進めます。
雇用契約を結んで働きたい
就労継続支援A型という選択肢があります。
体調や特性に合わせて働きたい
就労継続支援B型という選択肢があります。
就職後も支援がほしい
就労定着支援などで、就職後の生活や職場との調整を相談します。
一般就労へ向けて準備や就職活動の支援がほしい
就労移行支援は、一般企業などで働くことを希望し、訓練、職場探し、実習、就職後の支援などが必要な方の選択肢です。生活リズム、自己理解、必要な配慮、応募準備など、事業所ごとに支援内容が異なります。
就労定着支援は、就職後に生活面や職場との調整などの課題が生じたとき、働き続けるための相談や連絡調整を行うサービスです。利用できる期間や要件を自治体・事業所へ確認します。
支援を受けながら、今の自分に合うペースで働きたい
就労継続支援A型とB型では、雇用契約や受け取るお金の位置づけが異なります。同じ名称でも、作業内容や通い方、支援内容は事業所ごとに確認します。
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就労継続支援A型とB型の基本的な違い
利用要件や実際の支援内容は、自治体と事業所へ確認してください。
OPTION 1
就労継続支援A型
- 事業所と雇用契約を結ぶ
- 支援を受けながら働き、賃金を受け取る
- 勤務条件や仕事内容を事業所ごとに確認
OPTION 2
就労継続支援B型
- 事業所と雇用契約を結ばない
- 生産活動などの機会と支援を受け、工賃を受け取る
- 通い方や作業内容を事業所ごとに確認
日中の活動や、自立に向けた練習をしたい
生活介護は、常に介護を必要とする方に、日中の介護や創作・生産活動の機会などを提供します。自立訓練(機能訓練・生活訓練)は、地域生活に必要な身体機能や生活能力の維持・向上を、一定期間支援します。
名称だけでは日々の過ごし方は分かりません。見学できる場合は、一日の流れ、活動内容、医療的な配慮、休憩、送迎、相談方法などを確認します。
家での生活、家族の休息、住まいを支えてほしい
どのサービスも、希望しただけで一律に利用できるものではありません。障害支援区分、生活状況、本人の希望、自治体の支給決定などをもとに個別に確認されます。家族が休むことも、暮らしを続けるための大切な目的です。
- 居宅介護:自宅での入浴・排せつ・食事などの介護や、生活上の援助
- 短期入所:家族の病気や休息などの際に、施設で短期間の介護や支援
- 共同生活援助(グループホーム):共同生活の住まいで、相談や日常生活上の援助
- 自立生活援助:一人暮らしへ移行した方などに、定期訪問や相談対応
家での生活を助けるサービス
居宅介護(ホームヘルプ)は、自宅での入浴・排せつ・食事などの身体介護、調理・洗濯・掃除などの家事援助、生活に関する相談・助言等を行います。障害があれば誰でも使える家事代行ではなく、対象や支給量は個別に決まります。
重度訪問介護は、重度の肢体不自由や、重度の知的障害・精神障害等により常時介護を必要とする人へ、自宅での介護や外出時の移動支援等を総合的に行います。短期入所は、家で介護する人が病気になった場合などに、短期間入所して支援を受けるサービスです。
日中の生活・活動を支えるサービス
生活介護は、常時介護等を必要とする人へ、主として昼間、介護や創作的活動・生産活動の機会等を提供します。療養介護は、医療と常時介護の両方を必要とする対象者へ、医療機関等で療養上の管理、看護、介護等を行います。
自立訓練には機能訓練と生活訓練などがあり、地域で日常生活を送るために必要な力を身につける支援です。いずれも病名だけで利用可否は決まりません。
仕事を支える5つの障害福祉サービス
2026年8月時点では、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援の5種類が就労系サービスとして整理されています。
就労選択支援は選ぶ材料を整理し、就労移行支援は一般就労等へ向けた準備と就職活動を支えます。A型は雇用契約に基づく賃金、B型は雇用契約を結ばず工賃を受ける仕組みです。就労定着支援は就職後の生活面等の課題を支えます。
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五つは階段ではなく、目的の違う選択肢
全員が同じ順番に進む制度ではありません。本人の希望・体調・必要な支援で考えます。
OPTION 1
就労選択支援
- 希望・能力・適性等を整理
- 本人が選ぶ材料を増やす
OPTION 2
就労移行支援
- 一般就労等へ向けた訓練
- 就職活動・定着を支援
OPTION 3
A型
- 障害福祉サービス+雇用
- 雇用契約と賃金
OPTION 4
B型
- 雇用契約なし
- 生産活動等と工賃
OPTION 5
就労定着支援
- 就職後の生活課題
- 本人・勤務先等との調整
住まいを支えるサービス
共同生活援助(グループホーム)は、地域の共同生活住居で、主として夜間の相談や日常生活上の援助等を受ける住まいの選択肢です。自立生活援助は、施設やグループホーム等から一人暮らしへ移った人などへ、定期訪問等で助言・連絡調整を行います。
施設入所支援は、障害者支援施設へ入所する人に、主として夜間の介護や生活上の支援を行う別のサービスです。グループホームと同じではありません。
外出と地域生活を支える仕組み
同行援護は視覚障害により移動が著しく困難な人へ、外出時の情報提供や移動援護等を行います。行動援護は、知的障害・精神障害等により行動上著しい困難があり常時介護を必要とする人へ、危険回避や外出時の支援等を行います。どちらも対象要件があります。
移動支援、意思疎通支援、日常生活用具給付等、地域活動支援センターなどは地域生活支援事業として市町村等が柔軟に実施します。対象や費用は自治体により異なるため、『自治体名+障害福祉』で公式案内を確認します。
誰かに相談したいときの支援
市区町村の障害福祉担当、障害者相談支援事業、基幹相談支援センター等では、制度名が分からない段階から困りごとを相談できます。地域により名称や体制は異なります。
計画相談支援は、サービス等利用計画の作成や支給決定後のモニタリング等を行います。地域移行支援は施設・精神科病院等から地域生活へ移る支援、地域定着支援は一人暮らし等で常時の連絡体制を必要とする人への緊急時相談等です。障害のある人全員に専属相談員が付くわけではありません。
介護給付・訓練等給付・地域生活支援事業の違い
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制度上の三つの整理
分類を覚えることより、困りごとと本人の希望を相談先へ伝えることが先です。
OPTION 1
介護給付
- 介護・日常生活上の支援が中心
- 居宅介護、生活介護、短期入所、施設入所支援など
OPTION 2
訓練等給付
- 自立生活・就労・住まいの支援
- 自立訓練、就労系5サービス、共同生活援助など
OPTION 3
地域生活支援事業
- 市町村・都道府県が地域に応じて実施
- 移動支援、意思疎通支援、日常生活用具等
利用までの大まかな流れ
手続きはサービスや自治体、本人の状況により異なります。介護給付では障害支援区分の認定が関係する場合があり、訓練等給付や新しい就労選択支援にも個別の取扱いがあります。
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一般的な利用手続きのイメージ
すべてのサービスが必ず同じ順序になるわけではありません。
相談・情報収集
市区町村や相談支援等へ、困りごとと希望を伝えます。
利用申請
必要な調査・認定やサービス等利用計画案等を確認します。
市区町村の支給決定
サービスの種類・支給量等が個別に決まります。
事業所と契約
支援内容、費用、通い方、相談方法を確認します。
利用開始・見直し
本人に合っているか、必要に応じて確認します。
受給者証と障害者手帳は別のもの
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名前が似ていても役割が違う
OPTION 1
障害者手帳
- 障害の状態についての認定
- 税・交通・仕事などの制度に関係する場合がある
OPTION 2
障害福祉サービス受給者証
- 市区町村の支給決定に基づく
- 利用するサービスの種類・支給量等に関係
利用料は所得に応じた月額上限がある
障害福祉サービスの自己負担には所得に応じた負担上限月額があります。2026年8月時点の厚生労働省情報では、生活保護世帯と市町村民税非課税世帯の上限は0円です。課税世帯にも区分ごとの上限があります。
一律無料でも、必ず1割を全額払う仕組みでもありません。サービスによっては食費、光熱水費、家賃等の実費が別にかかる場合があります。自分の所得区分と実費を自治体・事業所へ確認します。
自立支援医療・障害年金・障害者手帳とは別制度
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困りごとごとに制度を分けて考える
OPTION 1
通院医療費
- 自立支援医療(精神通院医療)
- 障害福祉サービスとは別制度
OPTION 2
働けないときの所得保障
- 障害年金
- 診断名だけで受給は決まらない
OPTION 3
認定・各種支援
- 障害者手帳
- 受給者証とは別
OPTION 4
生活・介護・仕事・住まい
- 障害福祉サービス
- 個別の支給決定が必要
さっつんが障害福祉課へ相談した経験
僕も妻の病気について制度を調べ始めるまで、『障害福祉課へ相談する』という選択肢すら知りませんでした。最初は、どの制度を使えばよいか分からない状態で窓口へ行きました。
全部の制度名を覚えてから相談する必要はありません。『こういうことで困っています』と伝え、使える可能性のある制度や次の窓口を一緒に確認する。それだけでも大きな一歩だと思っています。
家族・支える人にできること
- 制度と相談先を調べる
- 本人が希望すれば相談へ付き添う
- 困りごとと質問を一緒に整理する
- 説明された選択肢を本人へ渡す
- 利用するかどうかは本人の希望を尊重する
SUMMARY
この記事のまとめ
- 障害福祉サービスは、制度名ではなく困っている場面から探せます。
- A型・B型・一般就労に上下はなく、今の希望と必要な支援で考えます。
- 対象や利用者負担は個別に異なるため、自治体と事業所へ確認します。
FAQ
よくある質問
障害者手帳がないと障害福祉サービスは使えませんか?
手帳の有無だけで一律に決まりません。サービスや障害の状況により必要な確認書類等が異なるため、市区町村へ確認してください。
どのサービスを使えばよいか分かりません。
制度名が決まっていなくても、市区町村の障害福祉担当や相談支援等へ、今困っていることから相談できます。
障害福祉サービスは無料ですか?
一律無料ではありません。所得に応じた月ごとの負担上限があり、サービスによって食費・家賃などの実費がかかる場合があります。
A型とB型は障害福祉サービスですか?
どちらも就労系障害福祉サービスです。A型は雇用契約を結び賃金を受け、B型は雇用契約を結ばず生産活動等に参加して工賃を受けます。
グループホームも障害福祉サービスですか?
共同生活援助(グループホーム)は訓練等給付に位置付けられる障害福祉サービスです。
自立支援医療や障害年金も障害福祉サービスですか?
同じ制度ではありません。自立支援医療は医療費負担の軽減、障害年金は所得保障に関する別制度です。
参考にした公的情報
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